【歌詞の意味】RADWIMPS / 何十年後かに「君」と出会っていなかったアナタに向けた歌【考察】

この記事のタイトルはRADWIMPSの曲名です。君とアナタが出てきます。
さらに歌詞中には、僕、そしてあの人が登場します。

  • アナタ
  • あの人

それぞれどういう関係でしょうか。探って参りましょう。

歌詞全文

何十年後かに「君」と出会っていなかったアナタに向けた歌

恋と呼んだあの季節 今は何と呼んでいるの?
愛を誓ったあの言葉 今もそこで泣いているの?

ラララー…
ラララー…
ラララー…

「君が好きです」その言葉は今でも アナタを信じて待っている
「もう過去のことです」その言葉と 今でも強く闘っている

いつしか嘘にされたあの言葉に アナタは何と言ってやるの?
「今」のアナタのために生きてきた「今まで」のアナタはどうするの?

思い出してよ 時がアナタを醜くしてしまったのなら
連れ戻してよ 時はアナタをまた美しくもするのです
終わらないでよ 時がアナタを見捨て去ろうとしても
絶対生きてやろうって思えるようになるのに必要なものがある

それは心で、それは涙で、それは愛で、それは夢で、
それは僕から「君」への思いです
そうだと信じるしか僕にはもう生きる意味はないのです

僕の心は言葉になって アナタの言葉は心に無くて
だけどアナタは気付かなくて
僕は段々子供になって アナタは段々大人になって
そして二人は遠くなって

僕は分かるよ アナタの心 僕があの人に出会うまでの
きっと、きっと 命とはその出会いのことで

思い出してよ 時がアナタを醜くしてしまったのなら
連れ戻してよ 時はアナタをまた美しくもするのです
終わらないでよ 時がアナタを見捨て去ろうとしても
絶対生きてやろうって思えるようになるのに必要なものがある

それは心で、それは涙で、それは愛で、それは夢で、
それは僕から「君」への思いです
そうだと信じるしか僕にはもう生きる意味はないのです

この声は この歌は アナタに届くのですか?
僕のね この胸の喜びは聴こえますか?
アナタのね その胸のほころびは見えますか?
どうしても そうどうしても 伝えたいものが...

それは心で、それは涙で、それは愛で、それは夢で、
それは僕から「君」への思いです
そうだと信じるしか僕にはもう生きる意味はないのです

ラララー…
ラララー…
ラララー…

それは心で それは涙で それは愛で それは夢で
それは心で それは涙で それは愛で それは夢で

作詞:野田洋次郎

収録アルバム

アルバム収録はありません。2ndシングル「祈跡」の3曲目に収録されています。

曲の特徴

初期RADにありがちな、綺麗なメロディーの曲です。歌詞の内容は、登場人物の関係性がやや難解です。正しい解釈というのは存在しないでしょうが、関係性を自分なりに昇華させていくと味わいが深まります。

歌詞考察・解釈

まず、この質問から入ります。

恋と呼んだあの季節 今は何と呼んでいるの?

かつて、恋をした時期もありました。それは今も恋でしょうか。過去の恋は今でも恋かしら。ときめきは健在でしょうか。

愛を誓ったあの言葉 今もそこで泣いているの?

恋をして、愛を誓いました。ずっと一緒に生きていくつもりでした。そんな約束もしました。でも、叶わなかった今、その時のあの言葉は、どこに行ってしまうのでしょう?今でもそこで泣いているのでしょうか?

「君が好きです」その言葉は今でも アナタを信じて待っている
「もう過去のことです」その言葉と 今でも強く闘っている

ここで、「君」と「アナタ」が登場します。

「君が好きです」と言ったのは、「アナタ」でしょう。曲名からすると、何十年後かに「君」と出会っていなかった「アナタ」です。「君」と出会っていないのに、「君が好きです」と。君と「君」は違うんですねきっと。

いつしか嘘にされたあの言葉に アナタは何と言ってやるの?
「今」のアナタのために生きてきた「今まで」のアナタはどうするの?

「君が好きです」と言って生きてきたアナタ。その言葉が嘘にされてしまったら、それまでのアナタは何だったの?という感じですかね。

絶対生きてやろうって思えるようになるのに必要なものがある

この曲は、ひとつの生きる意味を教えてくれます。

それは心で、それは涙で、それは愛で、それは夢で、
それは僕から「君」への思いです
そうだと信じるしか僕にはもう生きる意味はないのです

  • 「君」への思い

僕が生きる意味は、この5つであると取るか。

いいえ、

「君」への思い=「心、涙、愛、夢」

でしょうね。

つまり、「君」への思いが僕の全てです。そのために僕は生きているのです。そう言い切ってしまうくらいの僕なのです。

まとめ

この曲の登場人物を整理しましょう。

「君」

まず、「君」です。これは、特定の人物ではないでしょう。言い換えるならば、「好きな人、恋した人、愛する人」です。

すると、「何十年後かに「君」と出会っていなかったアナタ」は、愛する人がいない状態のアナタです。
つまり、思いを捧げる対象がいない状態のアナタです。

思いを捧げる対象がないということは、「君」への思いが失われている。
それはもう、生きる意味を見失ってしまっている状態の僕と同じです。

「何十年後か」

「何十年後か」というのは、まあ将来と言ってしまえばそれまでですが、「今ではないいつか」という感じですかね。「今のアナタ」と、「何十年後かのアナタ」は違うのです。さらに言えば、「今までのアナタ」も違うのです。

「アナタ」

では、「アナタ」とは誰でしょう。おそらく、僕でもあり、私でもあり、あなたでもあるでしょう。

  • 「過去に好きな人がいたけど、今はその好きな人がいない状態になってしまった人」
  • 「過去に愛を誓い合った仲の人がいたけど、今ではもうその人と離れてしまった人」
  • 「愛を捧げる相手が見つからないまま、これまでなんとなく生きてきてしまった人」

そんな「アナタ」です。

僕は分かるよ アナタの心 僕があの人に出会うまでの
きっと、きっと 命とはその出会いのことで

そう、あの人に出会うまでの僕も「アナタ」です。
「あの人」は、僕の「君」です。
その「出会い」で、僕に「命」が宿ります。
それが、僕の「生きる意味」です。「君」への思いです。

もしも今あなたが「アナタ」状態なら、こんな思いを伝えたい。
もしも僕が「アナタ」状態になってしまったら、こんな思いを伝えたい。

そんな歌です。
それが、何十年後かに「君」と出会っていなかったアナタに向けた歌です。